deteriorated-frp劣化FRPの再生・保護

キャンピングカーのコーティングや外装メンテナンスに数多く携わり、試行錯誤をしながら現在の施工方法を確立するに至りました。

キャンピングカーの主要部分を構成するFRPは、なぜ劣化が早いのか。また、乗用車と同様にコーティングの恩恵を長く受けるにはどうすればいいのか…。

キャンピングカーの外装メンテナンスにお悩みのオーナー様に、まずは現実を知っていただき、エスファクトリーのキャンピングカーコーティングについてご理解いただければと思います。

キャンピングカーに用いられるFRPとは

FRPは「Fiber Reinforced Plastics」の略称で、繊維強化プラスチックという材質でできたもので、ガラス繊維などをプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料のことです。キャブコンを中心に、多くのキャンピングカーのボディ面に使用されています。ベース車両部分はいわゆる鉄板ですが、主に居住スペースとして架装された部分の大半がFRPです。

FRPは一般的な乗用車のエアロパーツで使われる素材としてもポピュラーで、軽量・高耐久というメリットがある反面、繊維とプラスチックを合成してできているためリサイクルが難しという特徴があります。

FRPとは

キャンピングカーのFRP部分(例)

FRPが劣化する理由

キャンピングカーの多くは、FRPの上にゲルコートをのせた状態で販売されています。エアロパーツ等でも一般的な「ゲルコート仕上げ」と同じ状態です。この「ゲルコート仕上げ」いう表記は、その状態のままでは塗装をしておらず、「ゲルコートのままですよ!」ということになります。本来ならば、その上からボディカラーやお好みの色の自動車塗料で塗装をしてから装着・使用することを想定されているわけです。

問題となるのは、FRPの素材そのものではなく、素材の仕上げ状態がどうか?です。FRPの表面に使われるゲルコートは、塗料のような肉厚感、耐候性能を持ち合わせていません。膜厚こそ厚いものの、ミクロなレベルで肌キメの細かさ、平滑性、耐候性ともに、ゲルコートの品質は自動車塗料の下塗りの水準に近い印象です。

もちろん、ひとくちにゲルコートといっても、メーカー、コーチビルダー、車種、グレード等であえて多少の品質差をつけていることもあるかと考えられます。ですが、しっかりとした品質差をつけようとする場合、ゲルコートの配合等で高品質化を図るよりも、自動車塗料で塗装して付加価値を高めるのがグローバルスタンダードです。そのことからも、自動車塗料とゲルコートの品質差は明らかであるということに他なりません。これまで数多くのキャンピングカーに携わってきた知見からも、品質は自動車塗料による塗装>ゲルコートであると確信しております。

一般的な乗用車の塗装

一般的な乗用車のボディ

FRPゲルコート仕上げ

キャンピングカーのボディ

塗装とコーティングの違い

簡潔に差別化すると以下のようになります。

  • 紫外線や酸性雨などに対する耐候性は、自動車塗料を使った塗装が有効【保護】
  • 汚れの固着低下など、防汚性はコーティングが有効【防汚】
  • 洗車や拭き掃除のお手入れをしやすくしたり、水弾きを楽しむにはコーティングが有効【水切れ】

一般的な乗用車の場合、未塗装の車両はありませんので、コーティング施工をすると必然的に塗装面の上となり、耐候性と防汚性の両方を享受できます。

一方、キャンピングカーはFRPの上にゲルコートがのっているだけなので、そこにコーティング施工をしても耐候性不足の解決にはなりません。

それならば、コーティングを何層も重ねればいいのでは…?と思うかもしれませんが、世にあるどんなに素晴らしい高価なコーティング剤であっても薄膜です。塗装は、クリア塗装面だけでもおおよそ35ミクロン(下塗り層からクリア層まで含めるとおおよそ100ミクロン)。対してコーティングは、おおよそ0.1ミクロンです。単純にガラスコーティングでクリア塗装と同じ膜厚を得ようとすると、300層以上重ねなければならず、非現実的であり無意味といえます。

キャンピングカーも一般的な乗用車と同様、まずは自動車塗料でしっかりとした土台を築き、コーティングで付加価値を追加していくというイメージに近づけることが美しさをキープする鍵となります。

一般的な乗用車の塗装

一般的な乗用車のコーティング

FRPゲルコート仕上げ

キャンピングカーのコーティング

劣化したFRPを再生して保護する

まずは土台をつくります。

以前は白化状態(チョーキング現象)であってもポリッシュをメインとする下地処理作業を行い、オリジナルガラスコーティング剤でコート皮膜を張ることで再生してきました。

しかし、コーティング皮膜だけでは、日々の紫外線によってコーティング下のゲルコートを傷めてしまいます。すると、その上部にあるコーティング層も雪崩式に崩れてきて、わずか数年で劣化が目に見えてくるという負のサイクルに陥ります。

そこで、現在は下地処理作業で整えたゲルコート面を守る(少なくとも劣化のスピードを遅らせる)ための対策として、耐候性能重視の塗装をする工程を加えました。塗装といっても、カラー塗料ではなく、無色透明のクリア塗料(2液型のポリウレタン塗料)の複層塗装(具体的には2回~4回ほど)です。

すでにこの段階で、施工前と施工後では艶感に圧倒的な違いがうまれます。

さらに、ここまでの工程でできた土台の上にガラスコーティング剤、もしくはセラミックコーティング剤を塗布すれば、一般的な乗用車に近い状態でボディの美しさをキープすることが可能です。もちろん、コーティング被膜による撥水効果も楽しめるようになり、日常のメンテナンスも格段にしやすくなります。

ボディ研磨
以前の劣化再生保護

従来のキャンピングカーコーティング

現在の劣化再生保護

現在の劣化再生保護コーティング

エスファクトリーの解答

予算を度外視できるのであれば、一般的な乗用車と同様のオールペイントをしてコーティングで保護をするのがベストです。しかし、かなりの金額を見込まなくてはならず、品質への不安要素も多々あり、見積もり段階であきらめたオーナー様も多くいらっしゃいます。

費用面での負担を少なく、長くきれいな状態でキャンピングカーライフを楽しむなら、クリア塗装+コーティングがコストパフォーマンスと満足度の両面からもおすすめです。

下地処理、塗装、コーティングとも、すべて経験豊富なベテランスタッフが行います。安心しておまかせください。

SAKURA